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徴兵制への道

くまさんの『再出発日記』からのトラックバックです。現憲法第13条の『公共の福祉』を、自民党の「憲法草案」では「公益及び公の秩序」と書き換えていることにみられる狡猾さが、短文ながらよく理解できます。
 http://tb.plaza.rakuten.co.jp/KUMA050422/diary/200511030000/

徴兵制への道 [ 憲法 ]
11月3日、岡山大学で「憲法公布記念のつどい」があり、内藤功氏(弁護士・元参院議員)の講演があった。現在情勢からはじまり、氏が関わってきた基地闘争(砂川・恵庭・長沼・百里)と憲法の関係(憲法を武器として勝利できたことなど)を話した。

私が特に「なるほど」と思ったのは、今回の自民党憲法草案の「自衛軍を明記することの意味」です。

明記することによって「海外で武力行使が可能になる」(根拠については今回は割愛)だけではない。「軍法会議を開くことが出来るようになる。軍人を処罰するだけでなく、軍隊に抵抗するものも処罰するようになる可能性さえある」とのこと。いや、それだけではない。「(戦争することが認められるわけだから)有事法制は更に強化されるだろう」し、「徴兵に応じる義務」の根拠も出てくるらしい。

最後の部分を詳しく述べる。

なぜ徴兵制が現在の憲法上では許されないのか、以下の政府答弁があるとのことだ。

「一般に徴兵制度とは、国民をして兵役に服する義務を強制的に負わせる国民皆兵制度であって、軍隊を常設し、これに要する兵員を毎年徴収し、一定期間訓練して、新陳交代させ、戦時編成の要員として備えるものを言うと理解している。このような徴兵制度は、わが憲法の秩序の下では、社会の構成員が社会生活を営むに付いて、公共の福祉に照らし当然に負担すべきものとして社会的に認められるようなものでないのに、兵役といわれる役務の提供を義務として課されるという点にその本質があり、平時であると有事であるとを問わず、憲法第13条、第18条などの規定の趣旨からみて許容されるものではない」(1980.8.15政府答弁書)

つまり現憲法では第13条には「国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」とあり、第18条には「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。」とある。ところが、今回の憲法草案では第13条は「国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と変わっている。18条はほとんど変わっていないが、13条の規定は18条にかぶるだろうというのが、内藤氏の見解である。13条の書き換えの意味は大きい。「公共の福祉」なら「兵役といわれる役務の提供の義務」は出てこない。しかし「公益及び公の秩序」からはそう解釈することが出来るだろう。そう、80年の政府答弁は「狙ったかのように」「まるでそれを意図しての改憲草案であるかのように」見事にひっくり返すことが出来る。

もちろん国民の抵抗はあるから、そう簡単に法律を作ることはできないだろう。しかしいったんレールがつくられると、あとは徴兵制までの道は近いだろうと思う。

  by kobo1947 | 2005-11-08 13:42 | がんばらねば!

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