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1.拉致被害者家族の会の主張は釈然としない

日本が軍隊を持つべきであるとする主張の中で、最も純粋な考え方は、「日本が攻められたらどうやって自分自身を守ればいいのか」というものでしょう。
これは私自身の9条をめぐる最大の疑問でした。以下いくつかのテーマに分けて、この問題を考えてみたいと思います。

1.拉致被害者家族の会の主張は釈然としない
北朝鮮が拉致被害者の安否についてでたらめな情報を提出することは、被害者家族ならずとも憤りを覚えます。「北朝鮮の日本をなめきった」態度に対して制裁を加えるべきだ、という主張はある意味自然な感情から生まれてくるものなのでしょう。ましてや被害者家族であればなおのこと・・・  本当にそうでしょうか?本当にそれが被害者家族の偽らざる気持ちなのでしょうか?自分の愛する肉親が生活している国と対立を深めては、生きて再会を果たす機会が完全に失われてしまうかもしれません。
たとえば横田めぐみさんは拉致されてからの時間が、ご両親と一緒に生活していた期間よりも長く、現在は北朝鮮における家族も構成しているのです。友人もいるでしょう。仕事にも愛着を持っているかもしれません。めぐみさんにとっては別々の世界に住む家族ではあっても、どちらもこの上なく大切な家族であることに変わりないと思います。そのことは横田さんご夫妻が一番痛感していらっしゃることではないでしょうか。他の拉致家族の方々も同様です。
他人はどうであれ、拉致家族の方々の一番の願いは、両国が仲良くなり、お互い家族同士自由に行き来できるようになることではないのでしょうか。ですから拉致被害者家族の会の最も素直な主張は「両国間の障壁を取り除き、一刻も早い国交回復を!」ということになるのが自然だと思うのですが。

次回は「両国間の障壁」について考えてみたいと思います。

  # by kobo1947 | 2006-01-06 02:08 | 日々思うこと

みなさまに訴えます!

あけましておめでとうございます。
ブロガーのみなさまには、本年もどうぞよろしくお願いします。
                         KOBO1947
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わが国の平和と人権を守るために国際的な活動を行っている河内謙策弁護士が、氏の友人・知人に当てたメールを紹介します。

  ≪友人の皆様へ、一生に一度のお願いです
 いつも御世話になっている河内です。いつも御世話になっている上に、このようなお願いで恐縮ですが、どうしても皆様のお力をお借りしたいと思い、このメールを差し上げました。文字通り、私の一生に一度のお願いです。
 

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  # by kobo1947 | 2006-01-02 04:35 | がんばらねば!

「愛国心」は憲法に明記することか?

教育は「信仰」の押し付けであってはならないという[itall]さんの記事を読みながら今日思ったことを・・・

「愛国心」は憲法に明記することか?_e0084918_1242690.jpg12月24日の《ウエークアップ・プラス》(読売テレビ)では、「愛国心を憲法に入れるべきかどうか」をテーマに討論会を行っていました。コメンテーターは、塩川正十郎、三宅久之、井筒和幸、森本敏、香山リカ、勝谷誠彦。辛坊治郎の司会ぶりは合格点。

さて、憲法の「自民党案」や「中曽根案」に共通しているのは、国民が愛国心を持つことを憲法に「愛国心」は憲法に明記することか?_e0084918_136142.jpg明記することです。いうまでもなくこれら案における「愛国心」の対象である「国」とは「国家」という抽象概念であり、意味するところの本質は「お上」に他なりません。国民の生命・財産や郷土愛、伝統を意味するというなら、それらは本来人間に自然に備わっているものであり、憲法に明記することではないからです。
そもそもこのような発想が生まれるのも、憲法を国民を縛る道具という、全く逆転した考え方に由来するのではないでしょうか。主権在民を標榜する国家にあっては、国民の意思と異なる方向へ時の権力が向いて行くことのないようにするための、権力の手を縛るための規範が憲法なのですから。

「愛国心」は憲法に明記することか?_e0084918_1261271.jpg放送ではこの点を踏まえて井筒氏が「愛国心持たなくてもええと思う。」と発言。すかさず三宅氏が「国を愛せない者はこの国から出て行ったらいい。」と応酬。三宅氏をテレビで見る度に思うのですが、どうしてあんなにヒステリックなんでしょう。他の人が発言途中であってもおかまいなしにヒステリックに叫ぶ。こんな人物がよくもあちこちの放送局に出演していられるものだと、放送局の常識さえ疑いたくなってきます。さすがに井筒氏も「これでは討論のし甲斐もない」とつぶやいてました。
「愛国心」を憲法に明記すべき:三宅、森本、塩川
「愛国心」は憲法に明記すべきことではない:井筒、香山、勝谷

「お上」を信じて素直に従ってさえいれば、平和に暮らせる。―という心情は日本人特有のものかと思っていましたが、どうやらそうではない、ということを最近『茶色の朝』という本を読んで知りました。摩擦や面倒になることを避けたいばかりに、「変だな」と思うことがあったとしても、あえて自分で理屈を考えて肯定していく。気がつくと世界がすべて茶色になり、かつて茶色でない犬を愛玩していたという理由で、逮捕されてしまう・・・
怖い話ですが、今の日本はまさに茶色に染められつつあるように思えてなりません。

  # by kobo1947 | 2005-12-25 01:08 | 日々思うこと

”第9条は人類の宝”


”第9条は人類の宝”_e0084918_18355867.gif

去る6月6日から6月11日まで、フランス・パリで国際民主法律家協会(IADL)の第16回大会が開催され、55か国・400人の法律家・市民が参加しました。日本からも19名の法律家・市民が参加し、憲法9条についての国際的共同闘争を呼びかけるなどの大活躍をしました。以下は、大会で採択された憲法9条についての決議です。(仮訳者は、K.K.:弁護士)

≪日本国憲法第9条についての決議≫
 我々、フランス・パリで行われている第16回IADL大会に出席している法律家は、平和のために奮闘してきたIADLの歴史を想起しつつ、以下のとおり決議する。
 1946年に制定された日本国憲法第9条(以下、「第9条」という。)は、一切の戦 争放棄を定めている。それゆえ、同規定をめぐって、日本の平和勢力と保守勢力は約60年間にわたって激しい対立を続けてきた。1990年代に軍事大国化の道を歩み始めた日本の保守勢力は、ここ数年のうちに第9条を廃棄するための具体的な動きを開始している。
IADLは、第9条の改訂問題が、日本の国内問題にとどまるものではなく、国際社会の重大問題であることを確認する。なぜなら、第9条は、第2次世界大戦とアジアの植民地支配を反省した、日本の国家・民衆の世界の国家・民衆に対する平和の誓いだからである。
 IADLは、日本軍がアメリカ軍と一緒に肩を並べて世界各地で軍事力を行使することを容易にするために第9条を変えることに反対する。アメリカの戦争行為への日本の大手を振っての参加は、世界の平和への重大な挑戦以外の何物でもない。また、21世紀に戦争のない世界をつくりあげることは、人類の悲願である。それゆえ、 第9条は、人類の希望の原理を指し示している、人類の宝であると言っても過言ではない。人類の希望の原理を指し示している、人類の宝を破壊することは絶対に許されない。
 したがって、IADLは、第9条改悪阻止のために奮闘している日本の法律家・人民を支持し、世界の法律家・平和を愛する人民が大きな連帯の輪をつくりあげることを心から呼びかけるものである。
                                    以上                     (アンダーラインはkobo1947 IADL:国際民主法律家協会)             

  # by kobo1947 | 2005-12-22 18:40 | がんばらねば!

『筑紫哲也さんの憲法9条に対する思い』 (その2)

世相春秋さんの『筑紫哲也さんの憲法9条に対する思い』という投稿に触発されて、自民党改憲案のうち、第9条と前文についてのわたしの思いを2回に分けて書きます。(世相春秋さんの投稿にコメントとして書いたものです)



現行:憲法前文

[前文]
 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
 そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。
 われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。
われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。


自民党:前文

[前文]
 日本国民は、自らの意思と決意に基づき、主権者として、ここに新しい憲法を制定する。
 象徴天皇制は、これを維持する。また、国民主権と民主主義、自由主義と基本的人権の尊重及び平和主義と国際協調主義の基本原則は、不変の価値として継承する。
 日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有し、自由かつ公正で活力ある社会の発展と国民福祉の充実を図り、教育の振興と文化の創造及び地方自治の発展を重視する。
 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に願い、他国とともにその実現のため、協力し合う。国際社会において、価値観の多様性を認めつつ、圧政や人権侵害を根絶させるため、不断の努力を行う。
 日本国民は、自然との共生を信条に、自国のみならずかけがえのない地球の環境を守るため、力を尽くす。


【わたしの思い】
日本国憲法前文は、日本が平和と民主主義を基調として国際社会に認められる国になりたい、という「必死さ」があふれている文章だと思います。草案者は誰か、にかかわらず、その理念と理想は少なくとも私には痛いほど伝わってきます。まちがいなく自分の国を世界に誇ることのできる『わたしの憲法』です。
対する自民党案は、内容の良し悪しを問う前に、これでは事務連絡の箇条書きみたいです。単語の羅列では、筑紫さんの指摘どおり、とうてい人の魂に響くものにはなりえません。
こんな恥ずかしいものを私たちに押し付けられることだけは、絶対に御免蒙りたい。

  # by kobo1947 | 2005-12-20 17:51 | がんばらねば!

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