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考え方を整理してみました

 日本の外交のあり方をめぐっては、様々な意見があります。それらはいずれも日本の現状の認識の仕方によって異なってくるのでしょうが、あえて次のように分類してみました。

A.アメリカは戦後一貫してわが国の後ろ盾であって、その強大な軍事力こそがわが国が侵略を受けなくさせている、いわば抑止力である。したがって、わが国の安全は米軍が駐留してくれているからこそ守られている。
(1) これからもアメリカに従っていこう。アメリカに言われるとおりに憲法を改正し、アメリカの思うように動かせる軍隊を持ち、それでアメリカの負担が軽減できるなら、お返しにもなる。
(2)憲法を改正してはいけない。自衛隊を最大限許される範囲で軍隊化するが、基本的には今までどおり。アメリカの無理は聞かなければならない。

B.憲法を改正し自国の軍隊を保有する。そうすることによってアメリカ依存を脱却し、真の独立国となれる。
(1) 今や世界は1国帝国主義から先進諸国による分散統治の時代。日本は先進圏の1員として一定の役割を担うべきである。必要なら核兵器も保有する。
(2)アメリカを含め他国からの干渉を一切排するが、全ての国と友好関係を保つように努め、あらゆることを主体的に判断し対処する。平和主義に努め、軍隊は専守防衛に徹する。

C.人間の理性のみに依拠し、一切の軍事力を廃棄する。安保条約を解消し、全ての国と対等・平等な友好関係を築く。

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 これまでわが国の政府が取ってきた姿勢はA-(2)といっていいでしょう。しかしアメリカの事情の変化は、このような状態をこれからも継続していくことは困難なものにしているようです。小泉政権になってからはA-(1)またはB-(1)を志向しているように思えます。この2つはいずれもアメリカの戦略によって選択が決まります。
 さて、B-(2)ですが、実は最も多くの人が有している考え方なのではないかと思います。憲法改定絶対反対を主張する人の中にも結構多いのも事実です。この考え方をする人の殆どが、主権がアメリカに握られているような現状のままで軍隊を持つことは避けたほうがいいが、基本的には自衛手段としての軍隊は必要、という考えなのではないでしょうか。あくまでもアメリカとの摩擦を最小限に抑えることが前提となります。

 私はCです。B-(2)は中途半端で、アメリカとの摩擦を回避することはできません。最も現実的ではない考え方だと思います。Cの立場を常に一貫して全世界にアピールし続けます。全ての国が9条を持つことを訴え続けます。正直なところ全ての国家が金食い虫の軍隊を持つ必要がなければ持ちたくない、と思っているのではないでしょうか。自衛のためにやむなく・・・というのが本音でしょう。自衛が必要なのは攻撃に対処するためです。ところが、攻撃する側の殆どが自衛のためといっているのですから、ややこしいですね。それならいっそのこと軍隊をなくし戦争放棄を宣言すれば、攻撃される口実を誰にも与えないですむのではないか、という実に単純な発想です。日本が名乗りを上げれば、同調国が必ず現れると思います。2カ国、3カ国と平和同盟が増えれば、国際世論はガラッと変わることでしょう。
 自宅や町内に悪者が犯罪目的で忍び込んできたらどうする、ということとは性質の違う話なので、念のため。

 軍事力保持に反対するいまひとつの理由は、シビリアンコントロールが効かなくなることです。そもそも意見を通しやすくするための軍事力なのですから、軍を掌握する者の発言力は外に対しても内に対しても当然強まります。軍人が政権を握った状態、軍国主義への一里塚ですね。

  by kobo1947 | 2006-02-06 01:00 | 日々思うこと

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